2014年03月07日

アメリカの裁判

さっき、朝のワイドショー「とくダネ!」のアメリカの裁判を紹介するコーナーで、親を訴えた女子高生のことをやっていました。
娘が両親に対して「学費と生活費」を請求する裁判を起こすのはアメリカでも異例だと言う。
テレビで言っていた通りに書きます。()内は田房による補足。
レイチェル・カニングさんは18歳の女子高生。元警察官で地元の名士である父親と母親と妹の2人の5人暮らし。
レイチェルさんは運動神経抜群でチアチームに所属、成績も優秀で両親にとって自慢の娘だった。(金髪で抜群に美しい容姿のレイチェルさんの映像)

だが、現在の彼氏とつきあい始めてから素行が悪くなり、酒を飲んだり23時半の門限も破るようになった。両親に反抗的になり、両親は「彼氏とつきあうのをやめないなら家を出て行け。」と言った。レイチェルさんは家出。両親は「家に帰ってこないなら金銭援助を断ち切る」と警告、レイチェルさんは戻らないので、学費や生活費をストップした。

そこでレイチェルさんは猛反発(って言ってた)、両親に学費や生活費を払うように訴える訴訟を起こした。

(裁判所で裁判してる映像、レイチェルさんと両親がそれぞれの弁護士を挟んで並んで座っている。「とくダネ」のナレーションで「レイチェルさんは応援にかけつけた友人と時折、笑顔を交わす」とか「笑顔まで見せる」とか言って、悪い娘ですよ〜って感じで紹介。ここで初めてレイチェルさんの言い分が聞ける)
レイチェルさんの弁護士「両親はしつけが厳しすぎる。高校3年生になれば彼氏がいて当たり前なのに『別れないなら家を出て行け』などというのは不当である。今は大学受験でお金もいるのに払って貰えない」

(最初からそうだろうと思ってたけど、レイチェルさんからしたら彼氏のほうがマトモ、なんだと思う。彼氏の写真が出てきたけど、かなりの好青年って感じの写真だった。だけど親から見たら「いい子だったのに急に豹変!」みたいな感じで、「とくダネ」的にもそういう風に取り上げている)

両親の弁護士「酒を飲んで帰ってきた娘を怒るのは当たり前」

(悲しそうな両親の顔に対し、レイチェルさんは毅然としているので“ふてぶてしく”も見える。それを「とくダネ」のナレーションでは「子を心配する親に対して、レイチェルさんは冷酷さを見せる」とか言ってた。)

レイチェルさんの弁護士「うちは普通の家族ではない。親に虐待されていたのです。センシティブなことなので詳しくは言えないが、特に父親とは異常な関係にあった」

両親の弁護士「この子は平気でウソをつくんです」


(出た・・・・・・。
「いい子」に戻って欲しい、って言ってるってことはもともとは「いい子」だと両親は思ってるはずなのにどうしてその「いい子」に対してそんなこと言えるのか、矛盾してると思う。だけど、アメリカだからちゃんと調査をして虐待の事実を証明するに違いない、と思った)

しかし判決は「自ら家出した娘に学費や生活費を親が支払う義務はない。」
裁判長は「酒を飲んで帰ってきた娘を親が心配するのは当たり前。(親に虐待されたとか言って親の尊厳を傷つけてはいけない、みたいなこと言ってた)。どこにいても娘にとって親は親であり、親子であることに変わりはない。あなたも大人になれば、親の気持ちが分かる」

ティッシュで涙をぬぐう両親。レイチェルさんは毅然としていて表情を変えなかった。

スタジオでは小倉とかが「どうなっちゃうのかね〜この子」とか言って、全員一致で「この娘ヤバイ。冷酷すぎる。アメリカは弱者の人権を守る意識が高いからそこにつけこんでこんな裁判を起こす子どもまで出てくる」ってことを口々に言ってた。

うわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
だった。絶望的な気持ちになって、ハラハラした。
アメリカの進んだ「毒親意識」が反映された、子どもが親に勝つ異例の裁判を、あり得ない!って日本のテレビが紹介するんだ、と思い込んで見てたから、判決にびっくりした。

アメリカではどういう風に報道されてるのかは分からないが、「とくダネ」では明らかに「子ども思いのいい両親に刃向かうとんでもない娘」「どうしちゃったの?この娘、何が不満なの」「悪い彼氏に洗脳されちゃって、早く親の元に戻れればいいね」っていう目線でVTRが作られていた。その目線にまったく違和感がない、という作り。

私には、レイチェルさんが大学受験をしっかり考えていて、どうしてもお金がいる、周りにももう迷惑かけられない、でも親と一緒に暮らすのは無理、説得しようにも親には話が通じないから、最後の手段として裁判を選んだ、としか思えなかった。ていうか実際そうだと思う。じゃなきゃわざわざ、親と同じ空間で対面しなきゃいけないような裁判なんて起こすわけがない。

こういう裁判がアメリカでも異例なのは、親と一緒に住みたくないほどつらい人たちが、大人になるまでの辛抱だ…と我慢して押し殺してるってだけだと思う。裁判起こしてもこういう判決になるって分かってるからみんな起こさないだけで、レイチェルさんが悪い彼氏に取り憑かれた女の子なわけじゃない。

レイチェルさんはまだ訴えを起こすそう。きっと日本ではレイチェルさんの続報は取り上げないでしょう。あの判決で十分溜飲が下がったから。
アメリカに住んでる方がいたら、是非、続報を教えてください!
posted by tabusa at 10:31| Comment(8) | ノノシット関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私もこの判決にビックリで、ネットでアメリカやイギリスの反応を見てみました。一部の大衆紙の報道を見ると、そのフジテレビのコメンテーターと同じ反応で、「甘やかされた子供のジコチューな主張」という論調でした。
大手の新聞社や放送局(ABCやCBSなど)は基本的に裁判の結果だけを報道してました。
でもネットは本当にほとんどの人が「最悪のバカ娘!」という論調です。本当に驚きです。
でも一部で、毒親の支配的な家庭環境があったから彼女は家を出たんじゃないか、と擁護する意見もありましたが、本当に少数派で、悲しくなりました・・・。

私は、これを毒親だと思っています。
言うことを聞かないなら、衣食住を奪う、と脅すのは、毒親の典型だと思うからです。

でも、彼女は、そういった精神的虐待について、何も証拠が出せなかったから、最初の裁判で勝てなかったようです。
逆に、両親側は、娘の素行の悪さの証拠をガンガン出し(電話の録音まで出して…)、それによって彼女の印象が悪くなったようです。

私からしたら、卑怯で醜い親だなぁ、と思えてしかたなかったです。
高校生の子供が、親からの精神的虐待を、どうやって証明できるでしょうか。
私は大人だけど、できませんよ。
だって、体に後があって写真を撮ってた、とかなら証拠は簡単ですが、精神的な虐待ですよ。
どうやって証明するの?無視とか村八分とかでイジメられてる学生が教師に「気のせい」と言われるのと一緒。証明なんて出来ないものね。

本当にかわいそうだと思いました。
この判決には納得行きませんし、アメリカのネットユーザーがすごく保守的で、正直驚きました。
でも日本も同じですもんね。ネットや一部の大衆報道は、いつも保守的なようです。
Posted by FW at 2014年03月07日 11:34
裁判起こした彼女(の勇気?)がすごい!
協力している弁護士がどういう人なのか興味津々です!
大人が面倒くさがって「大人になればわかる」と言って子供を相手にしないのは、アダルテイズムですよね。
Posted by 9393 at 2014年03月07日 15:08
私も見てました@@
最初の展開から、
「あ〜 この娘、よっぽど家がしんどいんだわ〜」と思って食いついていました。
親の社会的地位も毒親あるあるで。
彼氏の登場によって、我が子は変わってしまったと主張するけど、もっと以前、もっと深い部分で親から離れたく苦しかったに違いない。
あの裁判官にも同じ年頃の娘がいるというところで、なぜかほんわかした音楽が流れて
あ〜親が子を思う気持ちは、たとえ子供にとって窮屈なものでも尊くて温かいという演出が加わっているカンジがして気持ち悪かった。
絶望的な「世論」ですよね

Posted by ジンジン at 2014年03月08日 09:39
信田先生がツイートしてらっしゃいました!
https://twitter.com/sayokonobuta/status/442004780336955392
Posted by ジンジン at 2014年03月08日 09:40
そんなに親が嫌で家出してんのに
金だけは欲しいって、世の中を舐めすぎでしょ。 甘ったれた馬鹿女が当たり前の判決で負けただけですw ここで世の中の仕組みが解らない人達がグダグダ言っても
日本でも米国でも、これが「常識」です。

あんなクソ親と一緒に住みたくない。
生活費なんか払ってもらわんでもいい!
それくらい言えよ、馬鹿女w
Posted by at 2014年03月29日 23:36
お前はくずだな
親の金で飯食うなよ二度と
自分が親に毒吐かせてることに気付け
Posted by バカ女 at 2014年03月31日 08:45
半月以上前の記事ですがコメントを書かせて下さい。実際のニュースは見ていないので実際どういう事件なのか詳しくは知らないですが
子側が親に対して裁判するという状況、私には相当異常に見えるのですが
それに対して「冷酷な娘とそれを心配する親」という構図はあまりにも単純すぎると思いました。
多数の人がそれによって一種の満足というか
納得(むしろ快感なんじゃないかと思ってますけど)してしまうのにゾッとします
どんな詳細なやりとりがあったのかはともかく
家族間で「衣食住」をタテにするってのはそもそも絶対やっちゃいけないと思うんですよね
信頼が一気に崩れてしまうので。
Posted by eri at 2014年05月09日 23:15
始めまして。
余りにも両親サイド本位の判決に唖然としましたが、特にここの部分が…

>両親は「彼氏とつきあうのをやめないなら家を出て行け。」と言った。

筈なのに、

>しかし判決は「自ら家出した娘に学費や生活費を親が支払う義務はない。」

両親が出て行けと言ったから家を出たんだろうに、何故レイチェルさん自らが家出した事になってんの?何だこれ?
って。
FW様が紹介されている両親側の証拠集めも、これがレイチェルさんが家を出る前に集めた物だとしたら(いや出た後でも)、両親側のストーキングの証拠でしかなくなるでしょうに。
ただただ絶望しますね。
Posted by えつたろう at 2014年08月24日 19:04
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